パラインフルエンザウイルスに気をつけるべき対象者

主に子どもが感染すると重症化しやすいウイルスです。
大人でも免疫が低下している人や妊婦さん、高齢者などにとっては、呼吸器系のつらい風邪症状が現れます。

 

インフルエンザと同じ呼吸器感染症のパラインフルエンザウイルスには、4種類の型があるのですが、多くの子どもが生後1~2歳の間にその一つに感染し、次いで5歳までの間にほとんどの子どもが別の種類のパラインフルエンザウイルスに感染すると言われています。
主な症状としては、

  • 上気道炎
  • 気管支炎
  • 咽頭炎
  • 肺炎
  • 喘息

などの急性呼吸器感染症を引き起こします。

 

幼いほど呼吸困難に陥ったり、チアノーゼを発症するなど非常につらい症状になりますので、保護者の方はお子さんの呼吸音には是非注意してくださいね。
一度感染すると免疫がつきますが、乳幼児は同じ型のウイルスに再度感染することもあります。

 

健常な大人が感染すると、軽い上気道炎(鼻や喉の痛み)で済むことが多く、『単なる風邪』と片付けられることも多いでしょう。

 

しかし、大人で喘息を持っている方などは、喘息発作との関連が懸念されています。

 

パラインフルエンザは4種類

 

実はこのパラインフルエンザ、ポッと出の新種のウイルスではなく、1955年ころから確認されています。
この初期の頃に発見されたウイルス3種類が、インフルエンザウイルスに似ていることから、parainfluenza virus、略称PIVと名付けられました。
また、主にヒトに感染するパラインフルエンザには、HumanがつくためHPIVと称されています。
(パラインフルエンザは犬や牛にも存在していますが、動物からヒト、ヒトから動物への感染はありません。)

 

更にその症状から、そのウイルスの種類がわかります。

ウイルスの種類 症状
HPIV1型(パラミクイソウイルス科レスピロウイルス属) 秋に流行する。クレープ症状・・・吸気性呼吸困難(息を吸う時にゼイゼイする。※喘息の場合は吐く時にゼイゼイする)、声が枯れる、チアノーゼ、「ケンケン」といった犬の鳴き声のような甲高い乾いた咳をする。ほとんどの子どもが5歳までに感染する。
HPIV2型(パラミクイソウイルス科モルビリウイルス属) ほとんどの子どもが5歳までに感染する。秋に流行する
HPIV3型(パラミクイソウイルス科レスピロウイルス属) 初夏~秋に多く、伝染性が最も強い。散発性で、小児病棟や乳児院で集団感染が起こることがある。多くの子どもが1~2歳の間に感染する。
HPIV4型 あまり流行しないウイルスで、感染していても無症状の場合がある。

 

インフルエンザとの違いとは?

  • 有効なワクチンが開発されていない(ウイルスの分離が難しいため)
  • ウイルスの検出が難しいため報告数が著しく低い。
  • 診断用のキットが市販化されていない。
  • PCR法による検出がなされていない。

 

つまり、PIVの検査体制の整った施設でなければ、「パラインフルエンザに感染しているか否か」の診断ができないということです。
PIVの検査ができる場合は、発症日を0日目とすると3日以内の検査が必要です。

 

高齢者施設や、保育施設、病院等で集団感染が起こり、インフルエンザやRSウイルス・アデノウイルスでもないなど、原因がわからない場合は対策を講じるために検査が入ることがあるでしょう。
これまではそうでしたが、今後はインフルエンザのような対応が望まれており、ワクチンや治療薬、迅速検査キットの開発が求められています。

 

パラインフルエンザにはワクチンも特効薬もありませんので、感染拡大の主な原因である「接触感染」、次いで「飛沫感染」を防ぐことが施設側や家庭で出来ることになります。

 

熱湯消毒や次亜塩素酸ナトリウム、アルコールでの消毒が有効です。

 

現在のところ、かかりつけの病院で「これはパラインフルエンザですね」と診断されることは少ないと思いますが、子どもの咳が落ち着くまでは学校をお休みさせてあげてください。