解熱剤はアセトアミノフェン

B型インフルエンザでは40℃近い高熱は出にくいため解熱薬を使うことは少ないかもしれませんが、インフルエンザで熱が出たときに、使ってはいけない解熱薬があります。
サリチル酸系(アスピリンなど)の解熱薬やジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸といった解熱薬は、小児のインフルエンザの患者さんには使わないことが原則とされています。
これはライ症候群(激しい嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状が短期間におこる死亡率の高い病気)をおこすおそれがあるためです。
逆に、使ってもよいのはアセトアミノフェンという解熱薬です。
解熱薬はインフルエンザを根本的に治すわけではありませんが、高熱でつらいときには、使ってもよいでしょう。

麻黄湯(まおうとう)の効果

風寒表実証って何?

インフルエンザのときに使われている薬として、麻黄湯(まおうとう)という漢方薬があります。
もともと中国で使われていた薬で、感染症治療に関する中国の古典『傷寒論(しょうかんろん)』という医学書で紹介されていました。

 

漢方薬は患者さんの病気の状態である「証」にあわせて使われますので、インフルエンザでも、麻黄湯が効く「風寒表実証」という状態であれば、効果が期待できます。

 

風寒表実証というのは、外からの寒(冷え)が体の中に入ってくるのが原因で、体は闘うために発熱しますが、寒が強いために発熱していても汗は出ていません。
体の外からの寒のために体をあたためられず悪寒がするとともに、寒のために気血が滞って頭痛や後頭部のこわばり、体の痛みが出てくるような状態です。
このような状態であれば、麻黄湯があっていますので、治療の選択肢として考えてみてもよいのではないでしょうか。