パンデミックすなわち感染症の世界的流行は、遠い過去にはペストやコレラなどがありましたが、これらは(笑)ひとまず横に置き、インフルエンザについていえば有名なものは3つあります。

スペインかぜ

スペインかぜ

A型(H1N1)=通称『Aソ連型』
1918年から1919年にかけてアメリカから流行し、全世界で感染者は5億人、死亡者は2500万人とも5000万人ともいわれています。
なぜアメリカかぜでなくスペインかぜと名づけられたか?
ちょうどこの時は第一次世界大戦中のため情報検閲が行われていました。
インフルエンザの大流行の噂は味方にとっては士気が下がるもとですし、敵にとっては有利な情報となります。
しかしスペインは対戦に参加しない中立国で報道が自由だったため、スペインからこのニュースが発信されたというわけです。
ついでに国の名前もつけられてしまったのですね。

 

アジアかぜ

A型(H2N2)
1956年に中国から流行し、世界的に広まりました。
死亡者は世界で400万人、日本でも約5700人が死亡しました。
抗生物質ができていたにも関わらずの大流行です。

香港かぜ

A型(H3N2)=通称『A香港型』
1968年の香港から流行しました。
世界で100万人、日本でも約2200人以上が亡くなりました。

抗原変異は予測できるのか?

有効なワクチン

この予測については、平成28年に東京大学医科学研究所で、抗原変異は予測する新技術の開発に成功したとの発表がありました。
それ以前は高い精度で予測する技術は確立されていなかったとのこと。
この成功によってより有効なワクチンの製造が可能になるそうです。

つまり、『ウイルスの種類と数』でおはなしした『小分類』までを予測しちゃって、ピンポイントなワクチン株を選定し、それをもとにワクチンが造れるようになる!ということ。
変異は蓄積していくと、さらに輪をかけて新たな抗原変異株を生みやすくなっていきます。
なので退治できる種類を少なく維持していくことが大切なんですが、そこにこの予測技術が大きな一役を担ってくれることを願いたいですね。