夏のエアコンは要注意
他にも夏のインフルエンザ流行の要因の1つとして考えられるのは、エアコンの普及による空気の乾燥です。
インフルエンザウイルスが乾燥を好むのはご存じですね。
エアコンによる空調と機密性の高い建築の増加で、1年を通して湿度の低いオフィスや住居が増えています。
夏はマスクをする人も減り、インフルエンザワクチンの接種もありません。
冬に比べてインフルエンザに無防備な人が多く、感染が広がる要因になっています。
さらに、免疫力の低下も要因の1つに考えられます。
何でも便利になった現代は、昔に比べて体を動かす機会が減りがちですよね。
その結果、メタボや運動不足の人が増えています。
栄養バランスの偏った食事、ゲームやスマホでの睡眠不足など、大人だけでなく子供の間にも免疫力を低下させるライフスタイルが多くなっています。
特に夏は暑さで体調を崩しやすく、免疫力が低下したまま夏バテすると、ウイルスに対する抵抗力が弱まります。
このように、夏のインフルエンザ流行の裏には、現代ならではの様々な事情が関係しているんですね。
冬とは違う?!夏インフルの特徴と注意点
夏のインフルエンザで注意したい点は、夏カゼや夏バテと間違いやすいことです。
熱、咳、鼻水、倦怠感、関節痛、食欲不振、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が出ると、「夏カゼかな?」「夏バテかしら」と思いがちですね。
また、暑い時期の高熱は熱中症と混同する危険もあります。
ワクチンを接種していない時期だけに、もしインフルエンザだった場合は、小児や高齢者、基礎疾患のある方などを中心に重症化する恐れがあります。
肺炎や脳症を併発する場合もあるので、高熱が出て複数の症状を自覚したときは、自己判断せずに医師の診察を受けましょう。
お子さんや高齢者のいるご家庭では、家族の方の注意も大切ですね。
日本でも季節を問わずインフルエンザが流行する今
「夏だから大丈夫」
「まさかこの時期にインフルエンザなんて……」
の油断は禁物です。
1年を通して、うがい、手洗いを習慣づけ、食事や睡眠、運動に気を配り、規則正しい生活で免疫力を高めましょう。
また、夏休みに旅行するときには、旅行先の感染症情報をチェックすることをお勧めします。
たとえば、厚生労働省検疫所のホームページには、海外のインフルエンザや感染症の詳しい発生情報が載っています。
各都道府県でも、ホームページにインフルエンザ情報を載せる所が増えています。
もし旅行先にインフルエンザ警報や注意報が出ていたら、夏でもマスクを携帯する、人混みを避けるなどの対策をとりましょう。
夏は、旅行やキャンプ、アウトドアレジャー、花火大会やお祭りなどの楽しい予定が多い時期です。
日頃からこまめな予防とチェックを心がけて、今年の夏をすこやかに過ごしましょう。